「……あ」
 ―――ふと、青年は、気づいたように目を上げた。
 いつのまにか、青年の指差す先には、一つの、蒼いダイヤモンドのような星が灯っていた。見る間に増していくその明るさに、展望台に詰め掛けた人々の間から歓声が上がった。
 7年前に超新星爆発を起こして滅んだ星。イプシロン星系の太陽。
 黙りこみ、仰向いて、星を見上げる青年の眼に、やがて、小さな雫が宿る。透明な雫はゆっくりと盛り上がり、光りながら、零れ落ちていく。その胸に光る、小さな金の結晶のペンダントのように。
「あれが、ミカドさんの太陽です」
 青年は言った。
 そうして、星を見つめ、仰向いたまま、ほんの少しだけ泣いた。



























幻影城様からDLフリー小説を辛抱たまらず頂いてまいりました。こんな素晴らしい小説を自分のサイト内に納めるなんて恥ずかしい……けど、本当に素晴らしいので頂いてまいりました。本当に素晴らしいパラレルが読めるサイト様(パラレルでない作品ももちろん絶品)ですので、是非是非飛んでいってください。たくさんたくさん素敵なお話があります。

何度も何度も感想を書いてみようとしたのですが、どうにも、ありきたりなことしか書けなくて、かえってこの作品の後ろに感想をくっつけるなんて野暮だと思いました。皆様それぞれで余韻に浸ってください。

ユニ子さま、素晴らしい物語を本当にありがとうございました。
……とりあえず、私も宮沢賢治が大好きです(笑)。
(2004.10.13)