好きだという気持ちはあらゆる行為の免罪符であり、原動力である。
 と猿野天国は思っている。

 たとえば、ある女の子をとても好きだと思ったことは、あるスポーツをとても嫌いだったという事実から目を逸らしても、自分で自分を許せるようになるだけの力を持っていた。


 はたから見て気味が悪かろうが、今までの折り合いが悪かろうが、オレはあいつを好きなので。

 近くに行ってみようと思うのである。



 まずは、毎朝昇降口で待ち伏せて、確実に「おはよう」を言うところからだ。










「全ての前置き」08/11/03