騙されてくれない
自重







一歩先の未来
自重。
「明日いい日になりますように」と
あなたが言った。












「穿つもの」

痛み は心を蝕んで
その穴の中でのたうち回る。


お前も苦しいか。


浅い呼吸で問い掛けた。




痛みが去ったカラダは
ただ心の穴だけが残って


空虚です。





痛みが欲しい。



穿つもの
私に存在する「痛み」そのものまで苦しんでいるように思えた
まるで痛みは私の同志だと思った仲間だと思った
いなくなったら淋しくなった












「逸らさない人」

わたしの血色の吐息の意味を
わたしの血色の言の葉の源を
わたしの血色の泣声の理由を


あなたは知るようになっている

血の色血の色血の色嫌な色


でもあなたは知っていて
知っているうえで見ていてくれる
時にはその色を拭おうとさえしてくれる



ありがとう

血の色嫌な色
でも生きているから溢れる色


あなたのおかげで わたし
怖いだけでなく生きていけるの



吐息の意味
ひとかけらの「すべて」を知る人。
その存在に、救われること。












「My Way」

左足を引きずりながら。

どこへ行こう?


周りを見渡せば、お互いに手を伸ばせば繋がる距離に、愛する人々。

私は救いを求めるようにさしのべかけた手を、慌てて下ろす。


そうこれは私自身が自分で切り開く道。


さあどこへ行こうか。

血のつたう左腕を握り締め、あかく腫れた左足を引きずりながら。



どこへ行こう
導かれるのを待っていちゃいけない。
自分で歩けるって、何度も自分で言ったんだ。












「夜の咆哮」

強い、風が、ひうひうと吹いています


窓を開け放ち屋根に登り凍えた体をかきむしって
声の限り願いを叫んだとしたらもう苦しみたくないと叫んだとしたら
風に乗って天まで届くでしょうか


強い、風が、びうびうと吹いています



夜の咆哮
眠れない夜が、どれくらい続くのかわからない。
そんな夜に響く音。呟く。












「雲母の一番上」


正直に正直に
ばかなくらい正直に

そんなふうに生きているつもりだった



ずっとの昔はとても嘘つきだったから

ついてきた嘘の分だけ
正直に生きていこうと誓った



あんまり強く誓ったから
もう嘘はつけなくなったと思った




思ったのに



ついてきた嘘の分だけ
あんまり辛くて、嘘をつきました。
こんな深刻な嘘、本当になるまで、嘘だったよなんて、言えない。